ユーザー会・コミュニティの立ち上げにかかる費用内訳と6か月の予算の組み方

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「ユーザー会を立ち上げたい。予算はいくら見ておけばいいか」——コミュニティの相談で、早い段階でかならず出る質問です。

すぐに答えにくいのは、ユーザー会の費用が「会場代」のような1つの金額にならないからです。第1回を開くまでの設計、当日の実費、2回目からの運営、社内の人の時間。どれを社内でまかない、どれを外に頼むかで、必要な予算の形が変わります。

この記事では、ユーザー会・ユーザーコミュニティの立ち上げにかかる費用を、何にお金がかかるかから分けて整理し、6か月の予算の組み方と、社内への説明のしかたまでまとめます。立ち上げの手順そのものはユーザー会・ユーザーコミュニティの立ち上げ方に、運営をどこまで任せられるかはコミュニティ運営代行に任せられることに書いています。

立ち上げの費用は、6つに分けて考える

ユーザー会の立ち上げで費用がかかるところは、次の6つです。

費目 中身 金額が動くところ
設計 誰のための何の場か、会員像、指標、第1回のプログラム 決まっていないことの多さ
第1回の準備と当日 声がけ、案内、当日の司会・進行、テーブルの進行役、記録 規模と、当日に置く人の数
2回目からの運営 各回の企画、案内、当日、アンケートと振り返り 開く頻度と、会と会のあいだの仕事
ツール 連絡の手段、申込の受付、会員の名簿、オンラインの場 何を新しく入れるか
実費 会場、機材、飲食、登壇のお礼、広告 第1回をどう開くか
社内の人の時間 旗振り役、声をかける営業やカスタマーサクセス、当日の手 社内で持つ範囲

表の上から4つ(設計・第1回・2回目からの運営・ツール)は、社内で持つことも、外に頼むこともできます。実費は、どちらで進めてもかかります。社内の人の時間は、外に頼んでもゼロにはなりません。

予算の話がかみ合わないときは、たいていこの6つのどこまでを含めて話しているかがずれています。「会場と飲食だけで考えていた」「月額の費用に会場代も入っていると思っていた」という行き違いは、最初に6つを分けて話すだけで防げます。

見落とされやすいのは、社内の人の時間

社内だけで立ち上げる場合、出ていくお金は実費だけに見えます。けれど実際には、担当者の時間が大きな費用になります。立ち上げの時期に、社内でかかる仕事は次のとおりです。

  • 中心になってくれそうなお客様に、話を聞く:第1回のテーマを、お客様の言葉で決めるため
  • 招待する人を選び、声をかける:BtoBのユーザー会は、広告より個別の声がけで人が集まります
  • 当日の役割を回す:受付、司会、テーブルの進行役、記録。少人数の会でも数人は要ります
  • 終わったあとの振り返りと、第2回の準備:ここを後回しにすると、2回目が開けなくなります

声がけは、第1回の前の数週間に集中します。旗振り役が本業と兼ねていると、この時期にほかの仕事が止まるか、声がけが止まるかのどちらかになりがちです。社内で進めるなら、旗振り役を1人決め、立ち上げの期間はどの仕事を減らすかまで上長と決めておいてください。

コミュニティマネージャーを専任で置けるなら、それがいちばん確実です。置けない場合に、外の手を借りるかどうかを考えます。

実費は「第1回をどう開くか」で決まる

実費は、どの進め方でもかかるお金です。金額を左右するのは、第1回をどこで、何人で、どんな形で開くかです。

  • 会場:自社の会議室やセミナールームで開けるなら、会場費はかかりません。社外の会場を借りるなら、立地・広さ・借りる時間で動きます
  • 機材:自社の会場なら、ほとんど要りません。オンラインでも配信するなら、配信の機材や人が加わります
  • 飲食:参加者どうしが話す時間に、軽食や飲み物を用意するかどうか。懇親会まで開くかで変わります
  • 登壇のお礼:お客様に体験を話してもらうとき、謝礼を出すか、お礼の品にするかは社内の決まりに合わせます。社外のゲストを呼ぶなら講演料(謝礼)がかかります
  • 広告:第1回は招待から始めるのが基本なので、広告を使わなくても始められます

第1回は、30〜40名ほどが扱いやすい規模です。人数を増やすほど会場も飲食も増えますが、増やしたぶんだけ「同じ立場の仲間と話せた」という手ごたえは薄くなりがちです。第1回の組み立て方はコミュニティの第1回(発足イベント)の設計で書いています。

進め方は3つ。費用の形が違う

設計・第1回・2回目からの運営を、誰が持つか。進め方は大きく3つに分かれます。

進め方 お金がかかるところ 向いているとき 気をつけたいこと
社内で回す 実費と、社内の人の時間 旗振り役に時間があり、小さく試したい 担当者が1人で抱え、2回目が開けなくなりやすい
回ごとに頼む 回ごとの見積りと実費 第1回の当日の人手だけが足りない 「誰のための何の場か」と2回目の企画は社内に残る
月額で通して頼む 月額と実費 はじめての会を開き、そのあとも続けたい 期間を約束して始める。社内で持つことは残る

社内で回すのは、いちばん費用が少なく、思い立ってから開くまでが早い進め方です。そのかわり、担当者が替わると経験も一緒に抜けます。

回ごとに頼むのは、イベントの運営代行に、当日の運営を頼む形です。当日はきれいに回りますが、第1回と第2回のあいだの仕事——振り返り、中心のお客様との話し合い、次の回の企画——は社内に残ります。

月額で通して頼むのは、設計から第1回、2回目からの運営までを、同じ相手に月ごとの費用で任せる形です。前の回の反応が、そのまま次の回の企画に生きます。そのぶん、半年などの期間を約束して始めることが多くなります。

どれを選ぶかの考え方は、相談先の選び方で詳しく比べています。

6か月の予算の組み方

ユーザー会の予算は、半年をひと区切りにするのがおすすめです。第1回が3か月目ごろ、第2回が5か月目ごろになり、第2回を終えてはじめて、続けるかどうか、どこを直すかを判断できるからです。第1回の分だけで予算を取ると、手ごたえがあっても第2回の予算を取り直すことになり、第2回までが空いてしまいます。

月ごとの動きと、お金がかかるところを並べると次のようになります。

時期 やること 主にかかるお金
1か月目 会員像と「誰のための何の場か」を決める。中心のお客様に話を聞く 設計(社内の時間か、外に頼む費用)
2か月目 第1回のプログラムと運営の型をつくる。招待を始める 設計、声がけの時間
3か月目 第1回を開き、振り返る 会場・飲食・登壇のお礼などの実費、当日の人手
4か月目 アンケートを第2回の企画に生かす。中心のお客様に運営を手伝ってもらう 運営(社内の時間か、外に頼む費用)
5か月目 第2回を開く 実費、当日の人手
6か月目 半年を振り返り、次の半期の続け方を決める 振り返り、次の半期の予算

予算は、次の順で積み上げます。

  1. 第1回と第2回の開き方を決める:会場かオンラインか、何人か、飲食をつけるか
  2. 実費を回ごとに積む:会場・機材・飲食・登壇のお礼を、2回分並べる
  3. 社内の人の時間を、人と役割で書く:旗振り役、声がけをする人、当日の手
  4. 外に頼むなら、その費用を足す:回ごとの見積りか、月額×期間か
  5. 削る順番を決めておく:予算が足りないときに、どこから削るか(下で書きます)

参考に、hytenに頼む場合を書いておきます(金額はhytenの料金の目安で、相場を示す数字ではありません)。コミュニティの立ち上げは月30万円〜(税別)の月額制で、6か月からお引き受けしています。1〜3か月目で第1回まで、4か月目から2回目以降の運営をお任せいただく形です。予算としては、6か月分の月額(月30万円〜×6か月)に、会場・機材・飲食・登壇のお礼などの実費が加わります。正式な金額は、規模や回数に合わせてお見積りします。第1回の開き方を選ぶと、別にかかる実費が分かる費用の目安も用意しています。

社内に説明するときは、費目より先に「6か月後に分かること」を書く

予算を通すとき、費目の表から見せると「高い・安い」の話になります。先に置くのは、この半年で何が決まるかです。説明の1枚には、次の4つを並べます。

欄 書くこと 記入例(架空)
何のための会か 事業のどの課題に効くか 導入して1年目のお客様の活用が止まりやすい。お客様どうしで使い方を教え合う場がない
6か月の予定 第1回と第2回の時期、そのあいだにやること 3か月目に第1回(招待制・30名)、5か月目に第2回
予算 実費・外に頼む費用・社内の時間を分けて 実費は2回分。外に頼む費用は月額×6か月。社内は旗振り役1名と当日の手3名
判断の時期と指標 いつ、何を見て、続けるかを決めるか 6か月目に判断する。次も参加したい人の割合と、第2回の運営を手伝ってくれるお客様の数を見る

指標は、場の指標と、事業の指標を1つずつ置きます。場の指標は「次も参加したいと答えた人の割合」「運営を手伝ってくれるお客様の数」、事業の指標は「活用の進み具合」「解約(チャーン)の減り方」などです。事業の指標は半年では動き切らないこともあるので、6か月目に見るのは場の指標、事業の指標は1年で見ると分けて書いておくと、「半年で成果が出なかった」と打ち切られにくくなります。解約の減り方を、参加していない会社とどう比べるかはユーザー会を解約の防止につなげる設計に書いています。

事業の指標とのつなぎ方はユーザーコミュニティの運営設計で、社内で通す1枚の書き方はイベント企画書の書き方で詳しく書いています。

予算が足りないときに削る順番

予算が思ったより取れないときのために、削る順番を先に決めておきます。

  1. 会場:自社の会議室や、お客様のオフィスを借りられないか
  2. 飲食:懇親会をやめ、会の中の軽食と飲み物にする
  3. 広告:個別の声がけと、中心のお客様からの紹介に寄せる
  4. 人数:第1回を小さくし、そのぶん参加者どうしが話す時間を長くとる

最後まで残すのは、「誰のための何の場か」の設計と、第1回のあとの振り返りと第2回の準備です。ここを削ると、第1回は開けても、2回目が開けずに終わります。会が続くかどうかは、当日の出来よりも、回と回のあいだの仕事で決まります。

よくある質問

コミュニティのツールは、最初から入れたほうがいいですか?

最初は、いまの連絡手段のままで始められます。メールや、すでにお使いの申込の仕組みで、第1回と第2回は開けます。会と会のあいだにも会員どうしのやりとりが生まれてきてから、オンラインコミュニティの場をつくるかどうかを決めても遅くありません。ツールの月額を先に払い始めると、人が集まる前に費用だけが積み上がります。

第1回だけ外に頼んで、2回目から社内で回せますか?

できます。そのときは、第1回の段階で2回目の担い手を決めておいてください。第1回の運営を頼むときに、運営の手順書・役割分担表・進行台本を残してもらうよう伝えておくと、2回目を社内で回しやすくなります。気をつけたいのは、第1回のあとの振り返りと第2回の企画が、誰の仕事にもならないことです。頼む範囲の決め方はコミュニティ運営代行に任せられることを参考にしてください。

まだ予算が取れていません。何から始めればいいですか?

中心になってくれそうなお客様5〜10人に、話を聞くところから始めてください。費用はほとんどかからず、社内に説明するときの材料にもなります。「こういう場があったら参加したい」というお客様の言葉は、費目の表よりも決裁する人に届きます。聞いた内容をもとに、上の説明の1枚をつくってみてください。

まとめ

  • ユーザー会の立ち上げの費用は、設計・第1回・2回目からの運営・ツール・実費・社内の人の時間の6つに分けて考える
  • 社内だけで進めても、担当者の時間が大きな費用になる
  • 実費は、第1回をどこで・何人で・どんな形で開くかで決まる
  • 進め方は、社内で回す/回ごとに頼む/月額で通して頼むの3つ。費用の形と、社内に残る仕事が違う
  • 予算は6か月をひと区切りに、第1回と第2回の2回分で組む
  • 社内への説明は、費目より先に6か月後に分かることを書き、削る順番も決めておく

hytenのコミュニティの立ち上げでは、会員像の設計から第1回(発足イベント)まで、そして2回目からの運営までを、同じ月額制でお任せいただけます。手順書・役割分担表・進行台本を残すので、途中から社内で回す形にも切り替えられます。「まず概算だけ知りたい」という段階でも、30分の無料相談でいまの状況を伺い、月額の目安と、別にかかる実費の見通しをお返しします。

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