カンファレンスの企画会社の選び方声をかける前に決めることと、提案の見比べ方

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「カンファレンス 企画会社 おすすめ」と調べると、「〇選」の一覧がずらりと並びます。会社の名前と得意なこと、所在地、これまでの例。候補を知るには、とても便利です。

ただ、一覧を何本読んでも、自社にどの会社が合うかは書いてありません。一覧の多くは、会社を紹介するためのものだからです。結局は、気になる会社に声をかけ、届いた提案を見比べて決めることになります。

この記事では、一覧はつくりません。そのかわりに、声をかける前に決めておくことと、届いた提案の見比べ方を、提案する側の席にも座ってきた立場から順に書きます。運営代行にどこまで頼めるかはイベント・カンファレンス運営代行はどこまで頼める?に、コミュニティまで含めた相談先の違いは相談先の選び方にまとめています。

企画会社は「どこに強いか」で3つに分けて考える

「企画会社」と一言で言っても、強いところは会社によって違います。会社の名前ではなく、どこに一番人を置いているかで分けると、候補を見比べやすくなります。

強いところ 得意なこと 向いている場面 確かめたいこと
会場と演出をつくる 会場の手配、舞台・映像・照明、展示や空間の演出 来場者が多い、展示がある、見せ方で印象を残したい プログラムの中身や集客は、誰が考えるか
当日を回す 受付・誘導・配信・事務局・運営スタッフの手配 中身は社内で決まっていて、当日の人手と段取りがほしい 企画の段階から相談に乗ってもらえるか
中身と集客を設計する テーマ・登壇者・プログラム、集客の計画、終わったあとの商談づくり はじめての開催、目的は決まったが中身が描けない 当日の運営や会場まわりを、どこまで持つか

1社で全部を持つ会社もあります。その場合も、提案書を開くと、どこに一番ページを割いているかで強いところが分かります。会場と演出の絵が多い提案、当日の体制表が細かい提案、来てほしい人と集め方から書き始める提案。どれが正しいかではなく、自社がいま一番困っているところと合っているかを見ます。

はじめての自社カンファレンスで、まだ「誰に何を伝える場か」が固まっていないなら、中身と集客を設計する相手から先に話すと、あとの判断が楽になります。中身が決まれば、会場の広さも、当日に要る人の数も決まるからです。

こんなときは、どの強みの相手から話すか

よくある場面ごとに、最初に話す相手を挙げます。

はじめての自社カンファレンスで、誰に何を伝えるかもこれから 中身と集客を設計する相手から話します。会場や演出は、来てほしい人とプログラムが決まってからのほうが、無駄なく選べます。先に会場を押さえたくなりますが、広すぎる会場は空席が目立ち、狭すぎると申込を止めることになります。

毎年開いていて中身は決まっている。人手が足りない 当日を回す相手に、決まっている中身を渡します。去年の進行台本、当日の役割分担、終わったあとに出た反省を一緒に渡すと、打ち合わせの回数が減ります。

展示や大きな会場があり、見せ方で印象を残したい 会場と演出をつくる相手を中心に置きます。そのとき、プログラムと集客は誰が持つかを先に決めておきます。ここが空いたままだと、会場はきれいでも、来てほしい人が来ない会になりがちです。

毎年開いていて申込は集まるのに、商談が増えない 終わったあとの流れから見直せる相手を選びます。届いた提案のうち、「終わったあと」の欄がどれだけ具体かを、いちばん重く見てください。

声をかける前に、社内で決める5つ

企画会社に声をかける前に、次の5つを社内で決めておきます。全部が決まっていなくても相談はできますが、決まっていないことは「未定」と書いて渡すのがこつです。空欄のままだと、各社が別々の前提で提案をつくり、あとで見比べられなくなります。

  1. 目的を一文で:「既存のお客様に、新しい機能を使い始めてもらう」「見込み客との商談を増やす」など。「認知を広げる」だけだと、提案がばらばらになります。
  2. 来てほしい人と、人数の目安:役職・部署・業種まで書きます。人数は「200人くらい」のように幅でかまいません。来てほしい人を既存のお客様・見込みのお客様・パートナーに分けて考える方法は、自社カンファレンスの集客方法に書いています。
  3. 時期と形式:開きたい月と、会場・オンライン・ハイブリッドのどれか。会場が決まっていなければ、それも書きます。
  4. 予算の上限:「会場・演出・運営のすべてを含めて、ここまで」のように、上限と、何を含めた金額かを書きます。予算を伏せると、各社が規模を読み違えます。
  5. 社内で持つこと:登壇者への打診、お客様のリスト、当日の社内の担当など。ここが決まっていると、頼む範囲がはっきりします。

社内の打ち合わせで決まらないものがあれば、それをそのまま相談の中身にしてかまいません。目的の一文が決まらないこと自体が、いちばん大事な相談になることもあります。

5つは、1枚にまとめて各社に渡します。たとえば、次のような形です(記入例)。

項目 記入例
目的 既存のお客様に、新しい機能を使い始めてもらう
来てほしい人 導入済みの会社の、現場の担当者とその上長。150〜200人
時期と形式 来年6月の平日。都内の会場。録画はあとで配信したい
予算の上限 会場・演出・運営・集客のすべてを含めて〇〇円まで(登壇者への謝礼は別)
社内で持つこと 基調講演は代表。事例の登壇者への打診とお客様への案内は営業
未定 午後を分科会にするか/懇親会を開くか
提案に入れてほしいこと 集客の計画(いつ・誰に・何回)、当日の体制、見積もりの内訳と含まれないもの
締め切り 提案は〇月〇日まで。説明の場は〇月〇日(各社1時間)

「未定」の欄があると、各社がそこにどんな案を出してくるかも比べられます。もっと詳しい企画書にまとめるなら、イベントの企画書の書き方を参考にしてください。提案の中身や見積もりの書き方まで指定する提案依頼書(RFP)の形は、イベントの提案依頼書(RFP)の書き方にテンプレートつきでまとめています。

声をかけるのは2〜3社。渡し方をそろえる

候補が多いと全部に声をかけたくなりますが、2〜3社が目安です。多すぎると、各社への説明と、届いた提案を読む時間が足りなくなり、比べる軸もぶれます。

渡し方は、全社でそろえます。

  • 同じ資料を、同じ日に渡す(上の5つをまとめた1枚)
  • 説明の場を1社ずつ持つ(30分〜1時間。質問を受ける時間を取る)
  • 提案の締め切りと、必ず入れてほしいことを伝える(例:集客の計画、当日の体制、見積もりの内訳)

締め切りが短すぎると、各社が手持ちの型で提案を出してきます。一般的な目安として、2週間ほどあると、目的に合わせた提案が出やすくなります。

1社と相談しながら決める形もあります。はじめての開催で、比べる前に何を頼めばいいかが分からないときは、まず1社と話して整理し、必要なら他社にも声をかける、という順番のほうが早く進むこともあります。

届いた提案を見比べる6つの観点

提案が届いたら、金額を見る前に、中身を同じ観点で並べます。

観点 見るところ よくある見落とし
目的の言い直し 自社の目的を、相手の言葉で言い直せているか 会社の紹介と過去の例が、前半を占めている
来てほしい人の集め方 誰のリストに、いつ、何回案内するか 「告知します」とだけ書いてあり、回数と時期がない
プログラム 登壇者とテーマの案に「なぜその人・その話か」があるか 知られた登壇者の名前だけが並んでいる
当日の体制 誰が現場に立ち、困ったときに誰が決めるか 提案した人が、当日はいない
終わったあと お礼、アンケート、商談につなげる流れ、次の回 「アンケートを取ります」で終わっている
見積もり 項目の細かさと、「含まれないもの」が書いてあるか 一式の金額だけで、何が入っているか分からない

並べるときは、社内の2〜3人がそれぞれ別々に、観点ごとに「◎・○・△」を付けてから持ち寄ります。最初から一緒に話すと、声の大きい人の印象に引っぱられます。別々に付けた結果が割れた観点こそ、打ち合わせで確かめるべきところです。

いちばん差が出るのは、最初の「目的の言い直し」です。こちらが渡した一文をそのまま書き写している提案と、「つまり、使い始めて間もないお客様に、次の使い方を見せる場ですね」のように具体的に言い直している提案とでは、そのあとのプログラムの組み方がまったく違ってきます。

見積もりは、合計の高い安いより先に、同じ範囲どうしで並んでいるかを確かめます。ある会社は会場の費用を含み、別の会社は含まない、ということはよくあります。そろっていなければ、含まれないものを足したうえで並べ直します。

「含まれないもの」に入りやすいのは、次のような項目です。見積もりに書いていなければ、打ち合わせで1つずつ聞いておきます。

  • 登壇者への謝礼と交通費・宿泊費
  • 会場の延長料金と、前日の搬入・リハーサルの時間
  • 録画の編集と、あとで配信するための準備
  • 懇親会の飲食と、その会場
  • 当日の受付や誘導の追加スタッフ
  • 終わったあとのアンケートの集計と報告

費用が動く要因と予算の組み立て方はカンファレンス開催の費用にまとめています。

打ち合わせで確かめること(提案書には出ないもの)

提案書だけでは分からないことがあります。決める前に1回、各社と打ち合わせをして、次の3つを確かめます。

  • 質問を返してくるか:こちらの説明に、「来てほしい人は、いまどんな状態ですか」「去年の同じ時期に、何がありましたか」と聞き返してくる相手は、目的から考えています。
  • やめたほうがいいことを言えるか:「その人数なら、会場は小さいほうが満席に見えます」「その並びだと、午後に人が減ります」のように、こちらの案に反対できる相手は、当日の景色が見えています。
  • 社内に何が残るか:運営の手順、役割分担の表、進行台本、振り返りの記録。次の回を社内で回すとき、何を引き継いでもらえるかを聞きます。

打ち合わせで聞いておきたい質問は、運営代行の会社の選び方でも3つ挙げています。あわせて使ってください。

よくある質問

「おすすめ〇選」の一覧は、どう使えばいいですか?

候補を知るために使ってください。一覧で会社の名前と強みを知り、この記事の3つの強みのどれに当たるかを当てはめると、声をかける2〜3社を選びやすくなります。決めるのは、届いた提案を同じ観点で並べてからです。

はじめてのカンファレンスでも、企画会社に頼んだほうがいいですか?

社内に経験のある人がいて、規模も小さいなら、社内で進められます。目的は決まっているのに中身が描けない、社内に経験のある人がいない、という場合は、企画と当日の設計だけを頼み、当日の手は社内で持つ形もあります。すべてを頼むか、何も頼まないかの二択ではありません。

企画会社に頼むと、社内の仕事はどれくらい減りますか?

減るのは、段取りと当日の手です。目的を決めること、登壇者やお客様との関係、終わったあとの営業のフォローは社内に残ります。ここまで頼めると思って任せると、終わったあとに「次につながらなかった」となりやすいので、最初に社内で持つことを決めておきます。

まとめ

  • 「〇選」の一覧は、候補を知るためのもの。自社に合うかは、提案を見比べて決める
  • 企画会社は、会場と演出をつくる/当日を回す/中身と集客を設計するの、どこに強いかで分けて考える
  • 声をかける前に、目的・来てほしい人・時期と形式・予算の上限・社内で持つことの5つを決め、決まらないものは「未定」と書いて渡す
  • 声をかけるのは2〜3社。同じ資料を同じ日に渡し、届いた提案は6つの観点で並べる
  • 決める前の打ち合わせで、質問を返してくるか/やめたほうがいいことを言えるか/社内に何が残るかを確かめる

hytenは、中身と集客の設計を軸に、はじめての自社カンファレンスの企画から当日の統括までをお引き受けしています。2回目からの運営もお任せいただけます。比べる前の、目的の一文を決めるところからのご相談も歓迎です。詳しくはイベント初開催支援・運営代行をご覧ください。開催日から逆算した準備の時期は、無料のイベント準備スケジュール表でも確かめられます。

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